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痛烈な敗北を喫したときの記憶は、ずっと心の奥底に刻まれているものです。ときにそれは「恐れ」という形で鮮明に甦ることがあります。そんなとき、瞬間的に恐れに打ち勝つことができなければ、過去の記憶と同じように敗北することが多いようです。
不思議なものですが、それは確率を超越してやってきます。数学的には説明できないプレイヤー心理の部分です。僕が「ブラックジャックはメンタルのゲーム」だと考える理由のひとつがここにあります。
自分のプレイ・スタイル(GAKUストラテジー)を確立する前の経験を話してみたいと思います。その当時の僕はベイシック・ストラテジー(BS)も分からず、ただ自分の思いつきだけでプレイヤー・アクションを選択する勢いだけのプレイヤーでした。また、バンクロールに対しての平均ベットは明らかに大きすぎるものでした。そんな調子ですから、もちろん勝てるはずなどありません。たとえ途中勝っていたとしても、そこで打ち止めることはなく、気がつけばバンクロールはいつも空。すっかり負け切るまでプレイしていました。今思えば、当時の自分に勝てる要素はどこにも見当たりません。負け組プレイヤーの代表例だったのです。
その回もブラックジャックで負けに負けて、ついに手持ちのチップをオールインする羽目になっていました。メンタル・コントロールという意識はなく、もう完全にやけくそ。恥をさらすようですが、いわゆる「壊れた」状態でした。
テーブルにプレイヤーは僕ひとり。ディーラーとのヘッズオン(1対1)勝負でした。ディーラーのアップカードTに対して、ディールされた僕のハンドはTTの合計数20。通常なら十分勝機のあるこのハンドを目の前にし、僕は振り払えない恐れを抱いてしまったのです。それと同時に、次のカードはAだと直感しました。ホールカードが無いオーストラリア・ルールのBJでは、次のカードがAであればディーラーのハンドはBJとなり、オールインした僕のハンドは敗北する状況でした。
手元にはインシュランスをかけるチップは残っていませんでした。ディーラーのアップカードTに対しての合計数20というハンドは決して弱くありません。十分勝機があるはずなのに、悪くても引き分けで済む可能性が高いはずなのに、僕は瞬間的に敗北を予感していたのです。過去にまったく同じ状況で、オールインを転がされていた記憶があったからでしょう。忘却の彼方にあった敗北の記憶が、この瞬間、鮮明に甦って来たのです。
30秒ほど悩んでいたでしょうか。ディーラーは僕がスプリットするかどうかを悩んでいると思っていたようですが、僕は合計数20からヒットするかどうかを悩んでいたのです。しかし、このときの僕は恐れに打ち勝つことができず、また、直感を信じてヒットすることもできませんでした。
現在はBSを貫くプレイ・スタイルですから、たとえ同じような場面に出くわしたとしても、合計数20からヒットしようとは思いません。でもこのときは真剣に悩んでいたのです。そのゲームの結果ですか? きっとみなさんの想像通りです(笑)。
オーストラリア在住の常打ち賭人森巣博先生が言われるように、もしこの瞬間、恐れに打ち勝つことができていたら、次のカードはAではなく7あたりに変わっていたはずです。まったくもって非科学的、有り得ない馬鹿馬鹿しい話に聞こえると思います。しかし、ブラックジャックはそういうものだと信じて止みません。
結果論なら何とでも言えます。しかし、次のカードが何であるかは誰にも分からないのです。分からないからこそ、何かに根拠を持っていなければ瞬時に決断することは困難です。僕がそれを可能にしているのは、GAKUストラテジーという自分のスタイルを貫くことによるものです。これはすべて、敗北の記憶を乗り越え、恐れに打ち勝つため。つまり、自分自身のメンタル・コントロールのためなのです。
この連載を通じて、ブラックジャックの基礎を話してきました。その基礎を踏まえた上で、最終的に必要なものはメンタル・コントロールだと理解してもらえたら幸いです。自分のスタイルを貫き、恐れに打ち勝つ覚悟ができるのなら、カジノの負け組から脱出するのはそう難しいことではありません。きっとあなたにもできるはずです。
GOOD LUCK!
GAKUストラテジー
http://resocasi.com/gaku













